行商のオジさん
子供の頃に週に何度か行商のオジさんが我が家に来た。
運転できない祖母は大変重宝していて、お得意さんだったようだ。
母や父もよく利用していた。
オジさんはシンカワさんと呼ばれていた。
婦人服や紳士服、下着などを大風呂敷に包んで持ってきては玄関先で商品を広げていった。
注文すれば再訪時には必ず持ってきてくれた。
たぶん電車で最寄りの駅まで来て、歩いて廻っていたのだと思う。
いまだに不思議なのであるが、我が家には昼時に訪ねてきて、居間まで上がり込みテレビを
見ながら持参した弁当を食べていた。
祖母も味噌汁を作って、ご馳走していた記憶がある。
なぜ我家に来てたのであろうか、祖母のことを慕っていたのだろうか。
たまにお菓子をくれるので、オジさんが来るのが楽しみだった。
当時はいろいろな行商が来ていた記憶がある。
乾き物、縁起物、貴金属、押し売りもあった。
縁起物は祖母が好きだったようで、たまに買っていた。
0コメント