木造の平屋
私が生まれた家は、父親が縁戚に養子に入る事が決まり、家主が新しく建ててくれた家だった。
昔は風呂場も便所も母屋と離れていて、玄関から一度外に出て行かなければならず、冬は
寒いし夜はもちろん怖かった。
外にトイレを作ったのはポットン式だったので臭気が家の中にこもるのを嫌ったためだそう
だ。
外に浴室を作ったのは湯気による湿気で本宅が傷むのを嫌ったのだとか。
玄関を入ると勝手口まで土間が続いていて、台所も土間でカマドがあった。
婆ちゃんが若い頃に山で集めた雑木の枝が、裏庭にある小屋に山のように積んであった。
それを、ご飯を炊いたり風呂を沸かす焚きつけにしていた。
風呂を沸かすには薪を燃やすのだが、今思えば薪の湯は、まろやかで湯冷めがしなかった
ように思う。
居間には掘りコタツがあり、冬は炭や練炭を入れて温めた。
私は狭い場所が好きだったので、堀コタツに潜るのが好きだった。
便所はボットン式で小便用と大便用に分かれていて、臭いし虫は寄ってくるし、ウジ虫が湧
くし私にとっては最悪の場所だった。
定期的に婆ちゃんが糞尿を汲み出し、畑に撒いていたのを遠目で見ていた。
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