怖かったモノ
私が幼いころに怖かったのはオバケと乞食と水と強風だった。
婆ちゃんから「夜道を歩くと狐に化かされるよ」とか「夜に口笛を吹くと蛇が来るよ」などと言
われて信じていた。
蛇は私の行動範囲に頻繁に出没して遊び相手だったので怖くはなかった。
キツネも見たことがなかったのでピンとこなかった。
オバケもそんなに怖くはなかったが、生まれて初めて経験した親戚の爺ちゃんの死を境に
人間の死を考えるようになり、夜が怖くなりオバケも怖くなった。
強風が怖かった記憶はないが、姉に聞くと外で遊ぶのが好きだった私が強い風の日は家の中
で遊んでいたらしい。
水は幼いころから苦手だった。
私は小児喘息だったため、夜中に痰を詰まらせて何度も死にそうな経験をしたせいか、水に
入ると溺れてしまうのではないかという恐怖があったのかもしれない。
母親が水嫌いな我が子を心配して、お風呂に水を張って強制的に水を頭からかける訓練をし
てくれた。
おかげで小学生になっても仲間と近くの川で泳いで遊ぶことができた。
母には感謝しているが、今では虐待にされかねないやり方だったかもしれない。
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