婆ちゃんのヒイラギいわし
婆ちゃんは節分になると玄関と勝手口に、ヒイラギにイワシの頭を刺したものを飾っていた。
幼い私には何の意味があるのか理解できなかった。
ヒイラギは山に生えているものを取ってきて使っていた。
葉っぱのトゲは硬く鋭く、指に刺されば血が出るほど痛い。
私もヒイラギには痛い思いをした。
幼心に鬼を退治するには、ヒイラギが有効な手段だと何となく感じてはいた。
柊鰯(ヒイラギいわし)は、節分に魔除けや厄除けとして使われ、昔から日本で行われている風習であ
る。
また「門守」と言って、魔物や災難を避けるための、おまじないの一つとして使われていたようだ。
柊鰯は、柊の小枝に焼いた鰯の頭を刺して作るのだが、古くは平安時代には、この柊鰯は行われてい
たと土佐日記に記されている。
完成した柊鰯は、玄関の戸口に飾るが、これは、柊の葉の棘が鬼の目を刺して鬼の侵入を防ぐ、もし
くは焼いた鰯の煙や臭いによって鬼が近寄らないと言われていたそうだ。
昔は季節ごとに風習があって、婆ちゃんは当たり前のようにしていた。
婆ちゃんが亡くなってからは、父も母も継承していないので、我が家では見ることは無くなってしま
った。
こういう伝統は我が家でも復活したいと思う。
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