タマゴのとし君
二つ年上の、とし君の家は牛や豚、鶏などを飼育していてタマゴを売っていたので、みんなからはタ
マゴのとし君と呼ばれていた。
とし君の家に隣接する飼育小屋は、我々が動物と触れ合う遊び場だった 鯉や金魚も飼っていた記憶が
ある。
家の中では可愛いヒナも飼育されていて、手の平に乗せてよく遊んだ。
またオジさんは、その場で鶏を絞めて捌くので新鮮な鶏肉を買うことができた。
幼い頃に絞めるのを見てしまうと、肉が嫌いになる人もいるようだが、私は今でも鶏肉は大好物であ
る。
とし君の庭に、たまにではあるが長くて大きなアオダイショウが現れるので怖い時もあった。
今思えばタマゴやヒナを狙いに来ていたのだと思う。
とし君の家は裕福なほうで、自転車やオモチャも我々が持ってないような高いものばかりだった。
とし君と母親は血が繋がっていなかったので、父親が高価なオモチャを与えていたのだと思う。
とし君が新しいオモチャを買ってもらうと、仲間から情報が入り皆で遊びに行った。
我が家は貧乏だったが、とし君と仲が良かったので、皆より先に最新のオモチャで遊ぶことができ
た。
とし君は甘やかされて育ったせいか、中学生の頃から不良になり私と遊ぶ機会は自然となくなってい
った。
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